介護で使用する福祉用具の代表的な種類

数ある福祉用具の中でも代表的なのは、主に寝たきりに近い状態になっている要介護者のサポートをする特殊寝台です。コントローラーを使用してリクライニングをしたり、膝の部分を持ち上げて姿勢を変えやすくしたりできるベッドです。その寝台とは異なる床ずれ防止装置も使用されることが多く、空気によって表面の凹凸の形を変え、要介護者の皮膚にかかる負担を分散させます。

移動に関する福祉用具は、車いすが定番です。自力で歩くことができない要介護者を座らせ、介護者が後ろから押して進むのが基本の器具です。一般的な車椅子は、使用している人が車輪を手で回せるものが多いですが、要介護者はその筋力がないことがほとんどで、大抵の場合は介護者が押すため、手で回す機能が備わっていないものが多いです。もし、要介護者がまだ自力で歩ける可能性が残っているのであれば、歩行器を使用する場合もあります。歩行器には滑り止めが付いていて、持ち上げる形で移動するものや、車輪が付いていて少ない力でも移動ができるものなど、複数の種類に分かれます。

また、排泄に関する福祉用具も、使用される頻度が高いです。特に持ち運びができるトイレは、移動が困難な要介護者にとって大切です。ベッドの横に用意しておけば、少ない移動距離で排泄を済ませられます。要介護者が寝たきり状態で、持ち運びトイレでさえ使用するのが困難な場合は、吸引式の排泄装置を用いることもあります。その装置を使用すると、排泄物をすぐに吸い取ることで、おむつを使用した場合よりも下腹部をきれいに保ちやすいです。